声に出して歌いたい日本文学 |
歌手:桑田佳祐
来源:歌谱收藏站
更新日期:2012-4-25
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LRC歌词:
[ti:声に出して歌いたい日本文学] [ar:桑田佳祐] [al:君にサヨナラを] [by:賴潤誠] [00:02.08]「声に出して歌いたい日本文学」 [00:04.08]作詞∶桑田佳祐 [00:06.08]作曲∶桑田佳祐 [00:08.08]歌∶桑田佳祐 [00:10.08] [00:12.08]▼『汚れつちまつた悲しみに……』 中原中也 [13:29.98][00:14.08]汚れつちまつた悲しみに [13:39.91][00:20.33]今日も小雪の降りかかる [13:51.32][00:27.62]汚れつちまつた悲しみに [14:01.39][00:33.87]今日も風さへ吹きすぎる [00:41.18]たとへば狐の革袋(かはごろも) [00:44.76]小雪のかかつてちぢこまる [00:47.86]汚れつちまつた悲しみは [00:54.53]なにのぞむなくねがふなく [00:58.19]倦怠(けだい)のうちに死を夢む [01:01.45]汚れつちまつた悲しみは [01:08.27]汚れつちまつた悲しみに [01:14.85]なすところもなく日は暮れる…… [01:21.88] [01:29.91]▼『智恵子抄』 高村光太郎 [01:31.91]智恵子は東京に空が無いといふ、 [01:38.55]ほんとの空が見たいといふ。 [01:45.35]智恵子は東京に空が無いといふ、 [01:52.23]私は驚いて空を見る。 [01:59.21]桜若葉の間に在るのは、 [02:06.03]切つても切れない [02:08.62]むかしなじみのきれいな空だ。 [02:16.18]智恵子は遠くを見ながら言ふ。 [02:22.71]阿多(あた)多羅山(たらやま)の上に [02:29.48]毎日出てゐる青い空が [02:36.32]智恵子のほんとの空だといふ。 [02:43.12]あどけない空の話である。 [02:50.80] [03:05.05]▼『人間失格』 太宰治 [03:07.05]恥(はじ)の多い生涯(しょうがい)を送ってきました。 [03:19.90]自分には、人間の生活というものが、 [03:27.54]見当つかないのです。 [03:33.01]自分は隣人と、ほとんど会話が出来ません。 [03:45.49]そこで考え出したのは、道化でした。 [03:53.50]最後の求愛でした。 [03:58.64]夕立ちが降った或(あ)る放課後、 [04:01.88]「耳が痛い」と言う竹一を見ると、 [04:05.88]ひどい耳だれで、 [04:08.33]念入りに耳の掃除をしてやりました。人間、失格。 [04:18.03]いまは自分には、幸福も不幸もありません。 [04:31.37]自分はことし、二十七になります。 [04:44.10]白髪がめっきりふえたので、 [04:47.61]たいていの人から、四十以上に見られます。 [04:57.21]子供相手の雑誌だけでなく、 [05:00.21]駅売りの粗悪で卑狼(ひわい)な雑誌などに [05:05.05]汚いはだかの絵などを画いて、 [05:08.35]画いていました。人間、失格。 [05:13.68] [05:34.52]▼『みだれ髪』 与謝野晶子 [05:36.52]やは肌のあつき血潮(ちしほ)に [05:42.77]ふれも見でさびしからずや道を説く君 [05:51.59]乳ぶさおさへ神秘(しんぴ)のとばりそ [05:58.59]とけりぬここなる花の紅(くれない)ぞ濃き [06:05.46] [06:08.97]いとせめてもゆるがままに [06:15.20]もえしめよ斯くぞ覚ゆる暮れて行く春 [06:24.10]春みじかし何に不滅(ふめつ)の [06:30.64]命ぞとちからある乳を手にさぐらせぬ [06:37.63]人の子の恋をもとむる [06:43.58]唇に毒ある蜜をわれぬらむ願ひ [06:57.63] [07:14.24]▼『蜘蛛の糸』 芥川龍之介 [07:16.24]ある日の事でございます。 [07:21.86]御釈迦様(おしゃかさま)は極楽の [07:27.64]蓮池(はすいけ)のふちを、独りでぶらぶら [07:33.77]御歩きになっていらっしゃいました。 [07:39.71]この極楽の蓮池の下は、 [07:46.83]丁度地獄の底に当っておりますから、 [07:51.48]水晶のような水を透き徹(とお)して、 [07:57.11]三途(さんず)の河や針の山の景色(けしき)が、 [08:03.00]丁度覗(のぞ)き眼鏡(めがね)を見るように、 [08:08.89]はっきりと見えるのでございます。 [08:14.73] [08:26.77]地獄の底に、カンダタと [08:32.21]云う男が一人、蠢(うごめ)いている。 [08:38.43]この男は、人を殺したり、悪事を働いた大泥坊、 [08:50.00]それでもたった一つ、善(よ)い事 [08:57.41]蜘蛛を殺さず助けてやったからでございます。 [09:02.40]御釈迦様は地獄の容子を御覧になりながら、 [09:07.90]カンダタには蜘蛛を助けた [09:13.61]事があるのを御思い出しになりました。 [09:19.49]この男を地獄から救い出してやろうと [09:25.18]御考えになりました。 [09:29.36] [09:46.46]▼『蟹工船』 小林多喜二 [09:48.46]二人はデッキの手すりに寄りかかって、 [09:57.92]蝸牛(かたつむり)が背のびをしたように延びて、 [10:06.04]海を抱え込んでいる函館の街を見ていた。 [10:14.42]蟹の生ッ臭いにおいと [10:20.73]人いきれのする「糞壷(くそつぼ)」の中に線香のかおりが、 [10:32.78]香水か何かのように、ただよった…… [10:44.52]諸君、とうとう来た! [10:47.77]長い間、長い間俺達は待っていた。 [10:50.93]半殺しにされながらも、待っていた。今に見ろ、と。 [11:00.65]しかし、とうとう来た。 [11:07.35]俺達は力を合わせることだ。 [11:13.63]俺達は仲間を裏切らないことだ。 [11:20.25]彼奴等(あいつら)如(ごと)きをモミつぶすは、 [11:26.67]虫ケラより容易(たやす)いことだ。 [11:34.70]「おい、地獄さ行(え)ぐんだで!」 [11:41.31]「ストライキだ。」 [11:46.68] [12:00.86]▼『たけくらべ』 樋ロー葉 [12:02.86]何時(いつ)までも何時までも [12:08.39]人形と紙雛(あね)さまとをあひ手にして [12:14.56]飯事(ままごと)ばかりして居たらば [12:20.34]嘸(さぞ)かし嬉しき事ならんを、 [12:26.26]何時までも何時までも [12:32.14]人形と紙雛さまとをあひ手にして [12:38.41]飯事ばかりして居たらば [12:44.23]嘸かし嬉しき事ならんを、 [12:50.22]ゑゝ厭や厭や、大人に成るは厭やな事、 [12:56.45]何故このやうに年をば取る、 [13:02.48]最(も)う七月(なんつき)十月(とつき)、 [13:06.56]一年も以前(もと)へ帰りたい [14:12.72][13:09.94] [14:30.49]▼『一握の砂』 石川啄木 [14:32.49]東海の小島(こじま)の磯(いそ)の白砂(しらすな)に [14:42.71]われ泣きぬれて 蟹(かに)とたはむる [14:52.42]いのちなき砂のかなしさよ [15:03.28]さらさらと 握れば指のあひだより落つ [15:12.72]こころよく 我にはたらく仕事あれ [15:23.00]それを仕遂(しと)げて死なむと思ふ [15:32.78]友がみなわれよりえらく見ゆる日よ [15:37.46]花を買ひ来て [15:42.62]友がみなわれよりえらく見ゆる日よ [15:47.68]花を買ひ来て 妻としたしむ [15:55.18]一握の砂 [15:58.79] [16:11.80]▼『吾輩は猫である』 夏目漱石 [16:13.80]吾輩(わがはい)は猫である。名前はまだ無い。 [16:24.94]吾輩は猫である。名前はまだ無い。 [16:36.47]ある穏やかな日に [16:41.43]大きな猫が前後不覚に寝ている。 [16:48.40]彼は純粋の黒猫である。 [16:55.11] [17:03.52]吾輩は猫である。名前はまだ無い。 [17:14.59]吾輩は猫である。名前はまだ無い。 [17:22.81] [17:47.90]▼『銀河鉄道の夜』 宮沢賢治 [17:49.90]銀河ステーンョン…… [17:59.24]ジョバンニはもういろいろなことで胸がいっぱいで [18:03.64]なんにも云えずに博士(はかせ)の前をはなれて [18:07.39]早くお母さんに牛乳を持って行って [18:10.84]お父さんの帰ることを知らせようと思うと [18:14.47]もう一目散に河原を街の方へ走りました。 [18:19.78] [18:22.78]Pu.OneGreen.Net 賴潤誠制作
文本歌词:
「声に出して歌いたい日本文学」 作詞∶桑田佳祐 作曲∶桑田佳祐 歌∶桑田佳祐
▼『汚れつちまつた悲しみに……』 中原中也 汚れつちまつた悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れつちまつた悲しみに 今日も風さへ吹きすぎる たとへば狐の革袋(かはごろも) 小雪のかかつてちぢこまる 汚れつちまつた悲しみは なにのぞむなくねがふなく 倦怠(けだい)のうちに死を夢む 汚れつちまつた悲しみは 汚れつちまつた悲しみに なすところもなく日は暮れる……
▼『智恵子抄』 高村光太郎 智恵子は東京に空が無いといふ、 ほんとの空が見たいといふ。 智恵子は東京に空が無いといふ、 私は驚いて空を見る。 桜若葉の間に在るのは、 切つても切れない むかしなじみのきれいな空だ。 智恵子は遠くを見ながら言ふ。 阿多(あた)多羅山(たらやま)の上に 毎日出てゐる青い空が 智恵子のほんとの空だといふ。 あどけない空の話である。
▼『人間失格』 太宰治 恥(はじ)の多い生涯(しょうがい)を送ってきました。 自分には、人間の生活というものが、 見当つかないのです。 自分は隣人と、ほとんど会話が出来ません。 そこで考え出したのは、道化でした。 最後の求愛でした。 夕立ちが降った或(あ)る放課後、 「耳が痛い」と言う竹一を見ると、 ひどい耳だれで、 念入りに耳の掃除をしてやりました。人間、失格。 いまは自分には、幸福も不幸もありません。 自分はことし、二十七になります。 白髪がめっきりふえたので、 たいていの人から、四十以上に見られます。 子供相手の雑誌だけでなく、 駅売りの粗悪で卑狼(ひわい)な雑誌などに 汚いはだかの絵などを画いて、 画いていました。人間、失格。
▼『みだれ髪』 与謝野晶子 やは肌のあつき血潮(ちしほ)に ふれも見でさびしからずや道を説く君 乳ぶさおさへ神秘(しんぴ)のとばりそ とけりぬここなる花の紅(くれない)ぞ濃き
いとせめてもゆるがままに もえしめよ斯くぞ覚ゆる暮れて行く春 春みじかし何に不滅(ふめつ)の 命ぞとちからある乳を手にさぐらせぬ 人の子の恋をもとむる 唇に毒ある蜜をわれぬらむ願ひ
▼『蜘蛛の糸』 芥川龍之介 ある日の事でございます。 御釈迦様(おしゃかさま)は極楽の 蓮池(はすいけ)のふちを、独りでぶらぶら 御歩きになっていらっしゃいました。 この極楽の蓮池の下は、 丁度地獄の底に当っておりますから、 水晶のような水を透き徹(とお)して、 三途(さんず)の河や針の山の景色(けしき)が、 丁度覗(のぞ)き眼鏡(めがね)を見るように、 はっきりと見えるのでございます。
地獄の底に、カンダタと 云う男が一人、蠢(うごめ)いている。 この男は、人を殺したり、悪事を働いた大泥坊、 それでもたった一つ、善(よ)い事 蜘蛛を殺さず助けてやったからでございます。 御釈迦様は地獄の容子を御覧になりながら、 カンダタには蜘蛛を助けた 事があるのを御思い出しになりました。 この男を地獄から救い出してやろうと 御考えになりました。
▼『蟹工船』 小林多喜二 二人はデッキの手すりに寄りかかって、 蝸牛(かたつむり)が背のびをしたように延びて、 海を抱え込んでいる函館の街を見ていた。 蟹の生ッ臭いにおいと 人いきれのする「糞壷(くそつぼ)」の中に線香のかおりが、 香水か何かのように、ただよった…… 諸君、とうとう来た! 長い間、長い間俺達は待っていた。 半殺しにされながらも、待っていた。今に見ろ、と。 しかし、とうとう来た。 俺達は力を合わせることだ。 俺達は仲間を裏切らないことだ。 彼奴等(あいつら)如(ごと)きをモミつぶすは、 虫ケラより容易(たやす)いことだ。 「おい、地獄さ行(え)ぐんだで!」 「ストライキだ。」
▼『たけくらべ』 樋ロー葉 何時(いつ)までも何時までも 人形と紙雛(あね)さまとをあひ手にして 飯事(ままごと)ばかりして居たらば 嘸(さぞ)かし嬉しき事ならんを、 何時までも何時までも 人形と紙雛さまとをあひ手にして 飯事ばかりして居たらば 嘸かし嬉しき事ならんを、 ゑゝ厭や厭や、大人に成るは厭やな事、 何故このやうに年をば取る、 最(も)う七月(なんつき)十月(とつき)、 一年も以前(もと)へ帰りたい
▼『一握の砂』 石川啄木 東海の小島(こじま)の磯(いそ)の白砂(しらすな)に われ泣きぬれて 蟹(かに)とたはむる いのちなき砂のかなしさよ さらさらと 握れば指のあひだより落つ こころよく 我にはたらく仕事あれ それを仕遂(しと)げて死なむと思ふ 友がみなわれよりえらく見ゆる日よ 花を買ひ来て 友がみなわれよりえらく見ゆる日よ 花を買ひ来て 妻としたしむ 一握の砂
▼『吾輩は猫である』 夏目漱石 吾輩(わがはい)は猫である。名前はまだ無い。 吾輩は猫である。名前はまだ無い。 ある穏やかな日に 大きな猫が前後不覚に寝ている。 彼は純粋の黒猫である。
吾輩は猫である。名前はまだ無い。 吾輩は猫である。名前はまだ無い。
▼『銀河鉄道の夜』 宮沢賢治 銀河ステーンョン…… ジョバンニはもういろいろなことで胸がいっぱいで なんにも云えずに博士(はかせ)の前をはなれて 早くお母さんに牛乳を持って行って お父さんの帰ることを知らせようと思うと もう一目散に河原を街の方へ走りました。
Pu.OneGreen.Net 賴潤誠制作
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